オンラインストレージ比較(AWS S3,OneDrive,Dropbox,Box,Amazonプライムフォト)(個人バックアップ用途)

無料のオンラインストレージはサービス終了リスクがあるということで、有償のオンラインサービスを調査してみました。

前提条件

  • ファイルの種類は写真(jpg)。1ファイル10MB以下と仮定
  • 35,000ファイル、100GB*1
  • バックアップ用途(アクセス頻度は非常に低く、一年あたり全体の5分の1、つまり7,000ファイル、20GBを参照すると仮定)
  • リージョンは東京(リージョンを指定できる場合)
  • 為替レートは1USD=110円と仮定

ファイル数や用途は人によって違うと思いますので、その辺りはいい感じに読み替えてください。

比較対象のサービス

オンラインストレージは様々あると思いますが、用途がバックアップなので、サービス終了リスクが低いと思われるメジャーなサービスをピックアップしました。今回比較したサービスやプラン名は次の通りです。

比較結果

比較結果は次の通り。

サービス・プラン名 ストレージ費用 年間費用
AWS - S3(Standard) ¥3,300/100GB
リクエスト費用 ¥1未満/7,000Request
データ転送費用 ¥1未満/20GB
¥3,301
OneDrive - Office 365 Solo ¥12,744/1,000GB ¥12,744
Dropbox - Plus ¥12,000/1,000GB ¥12,000
Box - Personal Pro ¥14,400/100GB ¥14,400
Amazonプライムフォト ¥3,900/無制限 ¥3,900

デメリットはそれぞれ次の通り。

サービス・プラン名 デメリット
AWS - S3(Standard) 特になし?
OneDrive - Office 365 Solo 50GBの次が1TBのプランとなり中間がない。
Dropbox - Plus 1TBのPlusプランが最小。
Box - Personal Pro 高い。
Amazonプライムフォト

プライム会員を解約すると、無料枠の5GB以外
は削除される可能性あり。写真しか扱えない上、
サービス終了や仕様変更のリスクがこれらの中
では最も高い。

 

考察

S3はさすが安いですね。100GB程度であれば圧倒的なコストパフォーマンスです。

しかし、ファイル容量が大きくなると、徐々にAmazonプライムフォトの安さが際立ってきます。プライム会員を継続するなら最初の選択肢になりそうです。ただし、写真以外も登録したくなるとまた別のサービスを探す必要があるのと、いつまで無制限に使えるのか保障されていないのが懸念材料です。

Dropboxは、かつてはプラットフォームとしてAWSを使っていました。ところが、2018年に自社DCに移行しました。

ascii.jp

これが吉か凶かは分かりません。しかし、S3では、ファイルが複数のアベイラビリティゾーンにレプリケート(複数バックアップ)され、耐久性が99.999999999%*2であるのに対し、Dropboxはいかほどなのか不明です。安くて便利でも、ファイルが喪失するようなことがあっては話にならないので、その点が心配です。ビジネスシーンでも使われているようなので、きっと大丈夫だろうとは思いますが。

OneDriveは、WordやExcelなどOffice365のサービスが付いてこの料金なので、それを考えると破格です。登録するファイルが増え、Officeも最新に買い換えるときが訪れると、これ一択になりそうな予感がします。

Boxは、ビジネスシーンでは結構いい評判を聞いていましたが、個人向けには、何かの間違いじゃないかと疑うほど高額ですね。これではちょっと・・・。

結論

今回の前提条件の場合、S3が最適だと思います。サービス終了や仕様変更リスクの回避も重視しての結論ですが、そのリスクを許容でき、なおかつすでにAmazonプライム会員の人にとってはAmazonプライムフォトが良いと感じられるかもしれません。

 

*1:デジカメとスマホで、子供の写真を中心に8年間それなりに記録すると22,000ファイル65GBだったのを参考に。

*2:https://aws.amazon.com/jp/s3/storage-classes/